2012年9月、カワサキW650を購入した。2006年式のローハンドル仕様で、走行距離は約13,000km。中古車サイトのグーバイクで見つけた、ほぼフルノーマルの一台だった。
それから約8年間、通勤からツーリングまで、とにかく乗りまくった。気がつけば走行距離は7万km近くに達し、僕がこれまで所有してきたオートバイの中でも、特に長い付き合いになっていた。
もともと飽き性なので、バイクを購入しても数年で手放してしまうことが多い。そんな僕が、なぜW650だけは長年乗り続けることができたのか。
今回は、購入した理由や維持費、W800やトライアンフとの比較、そして少しずつ手を加えていったW3風カスタムまで、8年間の思い出を振り返ってみようと思う。

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この記事の目次
W650を購入した理由!W1・650RS W3に憧れて選んだ一台

僕は、バイクを選ぶときに見た目が7割ぐらい重要だと思っている。
どれだけエンジンの性能が良くても、デザインが好きになれなければ購入する気にならない。逆に、見た目が最高にカッコよければ、多少の欠点なんて気にならなくなってしまう。
W650を購入したのも、まさにそんな理由だった。
当時憧れていたのは、1960〜70年代のカワサキW1や650RS W3。映画『彼のオートバイ、彼女の島』に登場する、あの青いW3も大好きだった。しかし、旧車を購入して維持するほどの余裕はなく、何か良いバイクはないものかと探していた。
そんなときに見つけたのが、カワサキW650だった。
丸みのあるタンクに、美しい空冷バーチカルツインエンジン。車体右側に伸びるベベルギアのシャフトや、クロームメッキのフェンダーなど、昔の英国車を思わせる造形がたまらない!
しかも、ウインカーやタンクを交換すれば、1970年代の国産旧車のようなスタイルにもできそうだ。
これだ!!!
そう思って購入したのが、2006年式のW650だった。
今でもW650のエンジンは、僕が最も好きなデザインのひとつ。メッキパーツが多く、洗車のたびに磨くのは少し大変だったけど、きれいになった車体を眺める時間も楽しかった。
何より、駐車場に停めて歩き出したあと、つい振り返ってしまう。
何年乗っても、やっぱりカッコいいのだ。
W650に8年間乗って分かった魅力!通勤からツーリングまで楽しめる乗り味

W650を長年手放さなかった最大の理由は、何といっても乗りやすさだと思う。
バイクは趣味の乗り物だけど、日常的に使うなら便利であることも大事。特に僕の場合、電車よりもバイクで移動することが多く、W650はほとんど毎日のように乗っていた。
大型バイクというと、乗る前に少し気合いが必要な車種も多い。しかし、W650にはそういう面倒くささがほとんどなかった。車体は比較的コンパクトで、足つきも良好。街中での取り回しも軽快なので、ちょっとした買い物にも気軽に使える。
エンジンは675ccの空冷バーチカルツイン。クラシックな見た目に反して、走りは想像以上にしっかりしている。低回転から扱いやすく、アクセルを開ければ大型バイクらしい加速も楽しめる。高速道路でのツーリングだって十分にこなしてくれた。
特別な速さや刺激があるわけではない。でも、毎日乗っていても飽きない!
こういうバイクって、意外と少ないんじゃないだろうか。
もちろん、長年乗っていれば細かな不具合もある。僕のW650もメーターの切り替えスイッチが不調になったことがあった。それでも、8年近く日常の足として使い続けられたというのは、なかなか頼もしい相棒だったと思う。
購入した頃は約13,000kmだった走行距離も、気がつけば7万km目前。5万km以上も一緒に走っていたことになる。
飽き性の僕がこれほど長く乗り続けられたのは、W650が単にカッコいいだけではなく、日常的に使える便利なオートバイだったからだと思う。
W650を650RS W3風にカスタム!タンク・マフラー・ウインカーを交換

そして、W650のもうひとつの魅力がカスタムの自由度だ。
ヤマハSR400ほどではないものの、W650にはさまざまなカスタムパーツが販売されている。マフラーやハンドル、シート、ウインカーなどを交換するだけでも、ずいぶん雰囲気が変わる。
僕が目指したのは、1970年代のカワサキ650RS W3。
映画『彼のオートバイ、彼女の島』への憧れもあって、少しずつW650をW3風に仕上げていくことにした。
W650のタンクをW3風に塗装!スムージングも実施

まず手を加えたのが、ガソリンタンク。
W650の純正タンクには左右にニーグリップパッドが装着されているため、これを取り外し、凹んだ部分をパテで埋めるスムージング加工を施した。
そのうえで、W3をイメージした赤いカラーリングに塗装!
本物のW3の赤はもう少し小豆色に近いのだけど、今回はあえて彩度の高い鮮やかな赤を選んだ。昔のバイクをそのまま再現するのではなく、少し現代風にアレンジしたかったのだ。
これが大正解!
タンクを塗り替えただけで、まるで別のオートバイになったような印象だった。やっぱり「KAWASAKI」のエンブレムが入ったタンクはカッコいい!
ちなみに、当時の塗装費用はスムージング込みで約50,000円。現在の相場とは異なるけど、思い返しても満足度の高いカスタムだった。
POSH W1マフラーに交換!迫力のある排気音が魅力

マフラーはPOSHのW1タイプフルエキゾーストに交換した。
昔ながらのキャプトンタイプで、見た目は純正とよく似ている。しかし、エンジンをかけると印象はまったく違う。低回転から「ドッドッドッ!」と迫力のある排気音が響き、初めて走ったときには思わずニヤけてしまった。
もともとマフラー交換にはあまり興味がなかったのだけど、このPOSHを取り付けてからすっかり考えが変わってしまった。
同じW650でも、排気音が変わるだけでこれほど楽しくなるとは!
マフラー交換の様子や排気音については、別の記事で詳しく紹介している。
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W3風ウインカーとミラーで1970年代のカワサキらしく!

続いて交換したのが、ウインカーとミラー。
ウインカーは、イナドメで購入した昔のカワサキZシリーズを思わせる大型の丸型タイプ。純正の小さなウインカーとは違い、存在感のあるデザインが特徴だ。
これがまた、W3風のタンクによく似合う!
ミラーも同じくイナドメで購入したものに交換。純正よりも鏡面が小さく、後方の見やすさでは少し劣るものの、ハンドル周りがすっきりした。
こういう細かなパーツの組み合わせで、オートバイ全体の雰囲気が少しずつ変わっていくのが面白い。
W650のハンドルをW1風からマッハIII風に変更!

もともと購入したW650はローハンドル仕様だったので、最初に交換したのがPOSHのW1風ステンレスハンドルバーだった。
ただ、ハンドルの高さが変わるとケーブル類の長さが足りなくなるため、アップハンドル用のケーブルに交換することに。これが意外と費用のかかる作業だった。
その後は、さらにマッハIIIを思わせるハンドルへと変更。

ハンドルは、カスタムしたときの変化が分かりやすいパーツのひとつだ。高さや角度が変わるだけで乗車姿勢も大きく変化し、同じバイクなのにずいぶん違った乗り味になる。
見た目だけでなく、実際に乗ったときの感覚まで変わるのが楽しい!
W650に旭風防を装着!冬の通勤でも活躍したカスタム

そして、僕のW650に欠かせなかったのが旭風防。
大きな透明シールドに、昔ながらの布たれが付いたウインドシールドで、昭和のプレスライダーを思わせるスタイルが特徴だ。
もともとは見た目が気に入って購入したのだけど、実際に使ってみると防風効果が素晴らしい!
僕はかなり寒さに弱いので、一年のうち7割ぐらいは旭風防を装着していた。冬場の冷たい走行風が上半身に当たらなくなるだけで、バイクに乗るのがずいぶん楽になるのだ。
しかも、W3風にカスタムした赤いW650との相性も抜群。昔のツーリングバイクのような、少し野暮ったいスタイルがたまらなくカッコよかった。
旭風防は大きなスポーツタイプと短いミニタイプの両方を使っていたので、そちらの違いについても記事にまとめている。
W650の購入価格は55万円!8年後の中古相場はどう変わった?

そもそも、僕がW650を購入する前に乗っていたのはヤマハのセロー250だった。
2012年、大型自動二輪免許を取得したことで、いよいよ大きなバイクが欲しくなった。ただ、当時は複数台を所有できるほどお金に余裕がなかったので、セローをバイク王に売却。そのお金を頭金にして、W650を購入することにした。
購入したのは2006年式のローハンドル仕様。走行距離は約13,000kmで、車両本体価格が48万円、諸費用込みで約55万円だった。
当時としても、なかなか良い買い物だったと思う。

それから約8年が経った2020年頃、ふとW650の中古価格が気になって調べてみた。すると、状態の良いフルノーマル車は60万円前後で販売されているではないか!
8年間も乗っていたのに、ほとんど値段が変わっていない。むしろ、少し高くなっているようにも見えた。
これは驚いた!
そして2026年現在、W650の中古価格はさらに上がっている。今回確認したグーバイクの掲載データでは、W650の平均車両価格は約82万円。もちろん、年式や走行距離、カスタム内容によって大きな差があるし、掲載価格と実際の買取価格は別の話だ。
それでも、2012年に55万円で購入した頃と比べると、ずいぶん状況が変わったものだ。
W650は2008年に生産を終了しているけど、今でも人気があるのは嬉しい。古いから価値があるというよりも、あの独特なデザインと乗り味を気に入っている人が、今でもたくさんいるのだと思う。
W650の年間維持費はいくら?8年間乗って感じた経済性

大型バイクを購入するとき、気になるのが維持費。
W650は675ccの大型バイクだけど、僕が乗っていた当時は思っていたほどお金がかからなかった。
当時、年間の維持費をざっくり計算してみたところ、こんな金額になった。
| 項目 | 当時の年間費用の目安 |
|---|---|
| 軽自動車税 | 約6,000円 |
| 任意保険 | 約30,000円 |
| オイル・フィルター交換 | 約12,000円 |
| 車検・メンテナンス(年換算) | 約30,000円 |
| 合計 | 約78,000円 |
※2020年頃の個人的な概算。ガソリン代や駐車場代、タイヤ交換などの臨時費用は含めていない。
年間約8万円。月々に換算すると約6,500円ほどなので、当時の僕にとっては比較的維持しやすいバイクだった。
もちろん、これはあくまで僕の場合の話。乗る距離や任意保険の条件、整備内容によっても金額は変わるし、現在の維持費をそのまま示すものではない。
それでも、W650は国産車なので、一般的なメンテナンスも比較的気軽にお願いできる。毎日の通勤で使う僕にとっては、そこも大きな魅力だった。
バイクは買って終わりではなく、長く乗り続けるためにもお金がかかる。だからこそ、こうした維持費の安さも、8年間乗り続けられた理由のひとつだったと思う。
W650とW800、トライアンフ ボンネビルを比較!購入の決め手は?

2012年にW650を購入するとき、実はほかにも気になっていたバイクがあった。
ひとつは、2011年に登場したばかりのカワサキW800。そしてもうひとつが、英国トライアンフのボンネビルT100だ。
どれもクラシックなスタイリングが魅力のバイクだけど、最終的にW650を選んだのには理由がある。
W650とW800の違い!キャブレターとキックスターターが魅力

まず大きな違いが、燃料供給方式。
W650はキャブレター仕様なのに対して、W800はインジェクションを採用している。
当時の僕は、マフラーやタンクを自分で交換するなど、カスタムを楽しみたいと考えていた。そうなると、昔ながらのキャブレターを搭載したW650の方が、自分の好みに合っている気がしたのだ。
もちろん、インジェクションにも始動性や燃料制御などのメリットがあるし、カスタムできないわけではない。ただ、僕はキャブレターの構造や、昔ながらのオートバイらしい雰囲気が好きだった。
そして、もうひとつ重要だったのがキックスターター!

W650にはセルスターターに加えて、キックスターターまで標準装備されている。
これが最高にカッコいい!
クラシックなバイクに乗るなら、やっぱりキックでエンジンをかけてみたい。そんな憧れがあった。
とはいえ、毎日の通勤で必ずキック始動するかといえば、そんなことはない。急いでいる朝はセルスターターで一発始動できる方がありがたい。
その両方を楽しめるところが、W650の良さだった。
2012年当時はW800の方が高価だったこともあり、価格面でもW650が魅力的だった。新しいW800にも惹かれたけど、僕にとってはキャブレターとキックスターターを備えたW650の方が、より理想に近かったのだ。
W650とトライアンフ ボンネビル!英国車への憧れは別物

もうひとつの候補だったトライアンフのボンネビルT100。
こちらも昔ながらの英国車を思わせるデザインが魅力で、当時からかなり気になっていた。ただ、2012年頃は中古車でも高価なものが多く、予算的になかなか手が届かなかった。
でも、僕はW650をボンネビルの代用品として購入したわけではない。
W650にはW650の魅力があるし、トライアンフにはトライアンフの良さがある。どちらも同じようなクラシックバイクに見えるかもしれないけど、実際にはデザインも乗り味もずいぶん違う。
もし本当にトライアンフが欲しいのであれば、無理にW650で妥協する必要はないと思う。少しお金を貯めてでも、自分が本当に好きなバイクを購入した方が良い。
逆に、W650のエンジンやスタイリングが気に入ったのなら、わざわざ外国車を選ぶ必要もない。
僕自身、その後トライアンフのスクランブラーを購入して、W650と並べて所有することになった。どちらも大好きなオートバイだったけど、まったく違う個性があって面白かった。
トライアンフのスクランブラーについても、約10年間所有した記録を別の記事にまとめている。
W650に8年間乗って分かったこと。やっぱり飽きないオートバイ!

2012年に購入してから、約8年間。気がつけば走行距離は7万km近くになっていた。
その間、タンクを塗り替えたり、マフラーを交換したり、ウインカーやハンドルを変えたり。冬になれば旭風防を取り付けて、毎日のように走り回っていた。
W650は特別に速いバイクでもなければ、珍しい限定車でもない。最新の装備が付いているわけでもないし、古いオートバイなので気になる部分だってある。
それでも、何年乗ってもカッコいいと思えるデザインと、普段使いできる乗りやすさがある。
この両方を備えていたことが、僕にとっては大きかった。
バイクは趣味の乗り物だから、多少の不便さも楽しい。でも、毎日乗るなら気軽さも大切だ。W650は、そのバランスが絶妙な一台だったと思う。
そして何より、長い時間をかけて少しずつ自分好みのスタイルに仕上げていけるのが楽しかった。最初はほぼフルノーマルだったW650が、いつの間にか1970年代のカワサキを思わせる赤い一台になっていた。
購入したときには、まさかここまで長く付き合うことになるとは思っていなかった。
でも、駐車場に停めて、ふと振り返る。
やっぱりカッコいい!
8年近く乗っても、そんな気持ちにさせてくれるオートバイだった。
W650の8年間のインプレッションをYouTubeでも紹介!
当時は、W650の魅力についてYouTubeでも前後編に分けて紹介した。
前編では購入した理由やW3風カスタム、後編では維持費や中古車価格、W800やトライアンフとの違いなどについて語っている。
文章とは違い、実際にW650を眺めながら細かなカスタムや乗り味について話しているので、こちらも当時の記録として残しておきたい。
※本記事は2020年頃に執筆したW650のインプレッション前後編を統合し、2026年11月時点の情報を加えて再編集したもの。購入価格や維持費は当時の記録に基づいている。
クラシックバイクのある日常
愛車の写真や、走りに出かけた日の思い出を載せているんで覗いてみてね。
